フェレットの耳ダニ感染
昨日にペットショップにて購入してお家へやってきたばかりというフェレットが来院されました。
背中や耳を痒がっているとのこと。
ペットショップさんからやってきたばかりのフェレットの耳からは寄生虫(耳ダニ)が見つかることが多いため、念のため耳垢の検査をしてみると・・・
耳垢の中に耳ダニが見つかりました。
フェレットの耳ダニ感染症について
フェレットの耳ダニは、ダニが耳の中に寄生することで発生します。このダニはフェレットの耳の中で繁殖し、耳垢の増加やかゆみ、炎症を引き起こします。耳ダニ感染は放置すると耳の内部に損傷を与え、最悪の場合には中耳炎から内耳炎に至り聴覚に影響が出ることもありますので、早めの対処が大切です。
耳ダニ感染の主な症状
- 黒い耳垢:ダニが原因で、耳垢が黒や茶色っぽくなることが多いです。コーヒー粉のような見た目をしていることが特徴です。
- 耳のかゆみ:フェレットが頻繁に耳を引っ掻いたり、頭を振ったりします。
- 臭い:耳の中から独特の悪臭がすることがあります。
- 炎症・かさぶた:耳の中が赤く腫れたり、傷ができたりすることもあります。
感染経路
耳ダニは、感染した他の犬、猫、フェレットとの接触や、感染した場所への接触によってうつることが多いです。ヒトに感染することはほとんど無いと言われています。多頭飼育環境や、頻繁に他の動物と接触する状況では特に感染リスクが高くなります。ペットショップから迎え入れたばかりのフェレットの感染率は高いことから、おそらくブリーダー、ペットショップさんでダニは蔓延している場合が多いのかもしれません。
対処法
- 獣医の診断を受ける:耳ダニ感染が疑われる場合は、早めに動物病院に相談しましょう。顕微鏡検査でダニの有無を確認することができます。
- 治療薬の投与:獣医師が耳ダニ用の専用薬を処方します。当院ではアドボケートというお薬や、セラメクチンというお薬をよ使っています。
- 耳の掃除:獣医の指導に従い、専用の洗浄液を使って耳の中をきれいにします。ただし、自己判断での掃除は逆に耳を傷つけることがあるので注意が必要です。
- 飼育環境の清掃:ダニは環境中にも生存できるため、ケージや寝床、遊び場も徹底的に清掃・消毒します。
予防法
- 定期的な耳掃除:耳ダニの早期発見につながりますので、適度な頻度で耳の中をチェックしましょう。
- 他の動物との接触を管理:外部からダニを持ち込まないよう、他のペットとの接触には注意しましょう。
- 定期的な獣医チェック:耳ダニ以外の健康チェックも兼ねて、定期的に獣医の健康診断を受けることをお勧めします。
耳ダニはしっかりとした治療と予防(定期的な予防薬の投与)で再発を防ぐことが可能です。早期発見と対策がフェレットの健康維持に大切です。
垂水オアシス動物病院
獣医師 井尻