ウサギの症例

ウサギ背骨の骨折

先日、後足が動かなくなったというウサギが来院されました。

いつも通りケージの中で留守番をしていたそうなのですが、

飼主さまが帰宅されて見てみると完全に後足が動かない状態になってしまっていたそうです。

 

どういうことなのか…。身体検査をしてみると後ろ足が全く動かなくなっており痛みの感覚も無くなっています。

こういったケースでは第一に「脊椎損傷(背骨の骨折)」の可能性が考えられます。

 

脊椎損傷の原因としては、抱いていたウサギを落としてしまったり…、飼主さまが爪切り中に暴れて…、ウサギが興奮して強く暴れてしまって…、などの際は脊椎が折れてしまうことがあります。

脊椎(背骨)を骨折すると脊髄(太い神経)が損傷してしまい後足が麻痺したり、排尿困難、排便困難などの症状が表れます。

症状が軽度であれば回復する可能性もありえますが、重度なものでは回復は大変厳しいです。

将来的には最先端の医療技術やiPS細胞を使って治したりする時代がやってくるかもしれません。

 

このうさぎさんの場合、飼主さまの留守中に事故が起きていますので回避するのはとても難しかったと思います。

段差のある小屋や、引っかかる物を置かないようにしたり、飛び降りたり、爪切り時など押さえつけすぎたりしないように

飼主さまは気を付けてあげて下さい。

 

↑第6腰椎の圧迫骨折が見られます