子犬がお家にやってきたら
ペットショップや、ブリーダーさんの所からお家へやってきて、環境に慣れるまで1週間はかかります。この期間は、子犬は緊張したり、ハイテンションになりすぎてしまったり、ストレスを感じたり疲れてしまうこともあります。特に、小さいお子さんがいるご家庭では、ついつい子犬といっぱい遊んでしまうケースが多いので、1週間は子犬にあまり構わずにゆっくりしたりお休みしたりできる環境を作ってあげることが大切です。
1週間ほど経つと新しい環境にだいぶ慣れてきて落ち着いてくると思います。なるべく早いうちに、健康診断と便検査を行いますので動物病院にご来院下さい。
はじめてご来院いただく場合には、できればその日にした便(少量で構いませんのでビニール袋にまるごといれてご持参下さい)と、今までのワクチン接種証明書をご持参下さい。
予防接種を動物病院でおこないます
- 【2か月齢くらいの時期】混合ワクチン(1回目)
子犬は親から貰った免疫(移行抗体)を持っていますが、その効力が切れる頃にワクチンを接種することで抗体をつくって伝染病から防御する必要があります。
1回目のワクチン接種は、ブリーダーやペットショップで済まされていることが多いかもしれません。
- 【3か月齢くらいの時期】混合ワクチン(2回目)
ワクチンの追加接種を行います。
- 【4か月齢くらいの時期】混合ワクチン(3回目)
この時期にワクチンを追加接種することで十分な免疫力をつけることができます。
通常の健康管理・去勢・避妊手術
【6か月齢くらいの時期】
避妊・去勢手術を行うことでいろいろな病気が予防できます。
ワクチン接種後の生後6ヵ月頃から避妊・去勢手術を実施しています。乳歯の生え変わりも5~7か月齢頃ですので、乳歯の生え変わりが上手くいっていない場合は、避妊去勢手術と併せて乳歯抜歯も同時に行うことができます。
将来的な病気の予防として、
- 男の子(雄)では、
睾丸の腫瘍
前立腺の病気
排尿困難・排尿の異常
肛門周囲の腫瘍
会陰ヘルニア
皮膚病
これらの病気を予防し発生率が低下します。
- 女の子(雌)では、
子宮の病気(子宮蓄膿症)
卵巣の病気(卵巣腫瘍など)
乳腺の腫瘍(乳癌など)
皮膚病
卵巣ホルモン失調による糖尿病
これらの病気を予防し発生率が低下します。
また避妊手術を初回発情までに行うことで、乳がんの発生をほぼ予防することができます。
狂犬病ワクチンとは?
生後91日以上の犬を飼い始めたら30日以内に動物病院で犬に狂犬病の予防注射を受けさせましょう。 翌年以降は毎年1回、4月1日から6月30日の間に受けさせましょう。
狂犬病は、人を含む哺乳類と鳥類が感染して、発症した場合には致死率100%の恐ろしい伝染病です。
日本では近年発生していませんが、アメリカや中国では毎年発生してます。 動物の輸入が増えている現在、狂犬病の予防は必ず行いましょう。
混合ワクチンとは?
年に1回ワクチンを注射で接種して予防しています。
ジステンパーウイルス感染症、パルボウイルス感染症、パラインフルエンザ、犬伝染性肝炎、アデノウイルス感染症、レプトスピラなど感染すると命にかかわる病気もあります。どのような環境で生活しているのか(アウトドア派?インドア派?)など相談しながら最適な混合ワクチンを接種しましょう。
定期健診
半年に1回の定期健診をおすすめしています。
当病院おすすめの定期検診プログラムで病気の早期発見・治療ができることはもちろん、定期的に獣医師が診察するため飼い主さんが気付かない異変を発見できた例もあります。
フィラリア予防
フィラリア症は蚊が媒介する寄生虫の病気で、予防をしていないと犬の心臓にはそうめんみたいな寄生虫が大量に寄生します。
予防薬が存在しなかった時代は、ほとんどのワンちゃんがフィラリアに感染していたため寿命は5年程度ととても短いものでした。
5月から12月まで月に1回フィラリア予防薬を服用すればほぼ100%フィラリア症を予防することができます。
ノミ・ダニ予防
月に1回背中に塗布または服用して予防します。
ノミがいると皮膚病の原因になったり、瓜実条虫が感染する原因になることがあります。
マンションの上層階にお住まいでも夏場にノミが室内に大発生することがあります。
ヒトが外から持ち帰ってくることや、時には人間の血を吸血することもあります。