ウサギの症例

うさぎの食餌について

動物病院に来院されることが多い動物では、犬、猫以外では「うさぎ」ではないでしょうか?

ちなみに当院ではこの動物種がトップ3です。

 

そこで今回は、

うさぎ飼いの飼い主さんのために「どんなものを与えたらいいか」ということを書いてみます。

 

うさぎの飼い主さんからお話を聞いていると、

「ビスケットやクッキーが好きなのであげています」

「パンが好きなんです」

「果物をあげてます」

「この子はいちごが大好きで…」

など牧草やペレット以外にオヤツを食べているうさぎさんも多いようです。

果たしてこれらはあげても良いものなのでしょうか?

 

そこで今回はうさぎの食事について書いてみます。

 

うさぎは食べ物には保守的な生き物で、

おふくろの味といいますか、子どもの頃に食べた味をしっかり覚えていて、

大人になっても味の好みが左右されます。

 

ですので、

新しいうさぎをを家に迎えたら、

乾草をたくさん食べさせるようにしてください

 

 

重要度①「メインの主食は牧草(乾草)」

完全な草食動物であるうさぎは繊維質を多く含む乾草を食べる必要があります。

繊維質は胃腸の働きを調整して、腸内環境を整える働きをしているため、

乾草を食べないと、胃腸うっ滞など消化器系の病気になりやすくなります。

また、よく咀嚼して噛まないと食べれないため乾草の繊維質は歯の摩耗にも役立ち、

不正咬合などの歯の病気予防になります。

いろんな種類の乾草が販売されていますが、チモシーというイネ科の牧草がお勧めです。

 

重要度②「補助食としてのペレット」

固形飼料です。

栄養素の欠乏を起こしにくいことメリットがあります。

成長期のウサギでは体重の2.5%量程度のペレットを1日に与え、

大人のウサギでは体重の1~1.5%量程度を、

乾草の補助として与えるようにします。

種子類や、ドライフルーツなどが混ざったミックスフードは、

その中から選り好みして食べてしまうためあまり良くありません。

 

重要度③「野菜」

野菜は繊維質が豊富なイメージがありますが、うさぎにとっては野菜は軟弱な草です。

野菜だけで必要とされる繊維質を補うことはできません。

ですので、野菜はうさぎにとってオヤツ感覚で少量与えるのが良いと思います。

調子を崩した時用に、小さいころから好きな種類の野菜を見つけておくのも良いことです。

 

おまけ④「嗜好品、おやつ」

ビスケット、クッキー、パン、果物、ナッツ類などは喜んで食べますが、

これらの嗜好品・おやつは全く与えないか、ごく僅かな量をあげるぐらいにしてください。

特に、子どもうさぎや、調子の悪いうさぎがたくさん食べてしまうと、

腸内細菌叢が乱れて命とりになることがあります。

 

牧草やペレットなどを食べないうさぎが増えていますので、

ふだんから牧草メインで過ごすようにし、おやつ等はなるべく与えないようにしましょう。