ウサギの症例

うさぎの臼歯不正咬合

うさぎの奥歯(臼歯)が正しくかみあわず、正常に摩耗されなくなってしまった状態を臼歯の不正咬合といいます。
うさぎの臼歯は常生歯といって生涯伸び続けますが、乾草をかむことによって咬合面が削れて正常なかみ合わせが保たれています。

しかし、あまりかむ必要のないペレットなどの食餌ばかり食べている子の場合は、咬合面があまり削れなくなります。
すると、上顎の歯はほっぺた側に、下顎の歯は舌側にトゲのような突起をつくり、口の中を傷つけてしまいます。

症状
口の中の粘膜が傷ついてしまいとても痛いです。そのため食べることができず、治療せずにいると弱ってきて全身的な症状(胃腸器症状、腎不全、貧血など)を引き起こします。
また、常に口をモゴモゴ動かしていている場合は要注意です。
よだれ、鼻汁、涙、目やになどもみられることがあります。

治療
長く伸びすぎた歯を削り、かみ合わせを調整していきます。
治療して症状が改善しても多くの場合、臼歯が再度伸びてきますので、同様の症状を繰り返すことになります。1ヶ月半に1回は健診を動物病院で受けることをお勧めしています。
動物病院での治療後、しばらくは食餌の介護は必要になります。

小さいころからチモシーなど牧草中心の食生活にしていると不正咬合の予防になるので、食育には気を付けてあげてください。


↑上顎の臼歯がほっぺた側に飛び出して粘膜を傷つけています(奥の歯です)


↑粘膜を傷つけている歯の突起をカットしまし滑らかに整えました