ウサギの症例

うさぎの腹腔内膿瘍


↑うさぎの腹腔内膿瘍(※手術の画像です)

ウサギに膿瘍ができることは極めて多いといわれています。
特に出来易いのは、顔(大半が歯科疾患が原因)です。
チモシーをあまり食べていないうさぎに多発します。
チモシーが不足すると歯が摩耗しないため、歯根膿瘍から顔面膿瘍へと波及していきます。

今回食欲不振で来院されたうさぎは歯には問題が無かったのですが、
腹部のエコー検査をすると、なんとお腹の中に大きな塊が見つかりました。
レアケース?です。

飼い主さまに状況をご説明し、
年齢的に卵巣・子宮疾患の可能性が高いため試験開腹を行いました。
すると…、
子宮疾患ではなくお腹の中の腸間膜リンパ節の位置に大きな膿瘍(中は膿がドロドロ詰まっています)ができていました。
切開し、洗浄して閉腹し現在では少しずつ食欲も出てきています。

顔周りの膿瘍は判りやすいため飼主さんも病院へ連れてきやすいのですが、
こういったお腹の中のケースでは判り難いです。

こんなこともあるのか、と思った症例でした。