ウサギの症例

うさぎの胃腸うっ滞

草食動物のうさぎは他の動物と比較して腸が長く、盲腸が大きいのが特徴的です。
腸内にいる細菌が牧草の消化を手助けしています。

うさぎの腸が正常に働くためには繊維質の豊富な牧草が必要で、
糖類や炭水化物(おやつなど)などを摂取したりすると、腸内環境が変わり
異常な細菌が増殖してきます。この細菌が毒素を出してガスを作り、
体に様々な悪影響を及ぼします。

先日、我が家のうさぎ「とらひめ」の様子が何かおかしいような気がする…、
ということに気づき一通り(血液検査、X線検査など)詳しく調べてみました。

すると、
X線検査では腸内にガスが大量に貯留しており明らかに異常です。
強制給餌、 皮下点滴、腸の運動改善薬、抗生剤、腹部のマッサージなどを開始しました。

↑ぐったり 1日目(食欲廃絶・便出ず)


↑ぐったり 2日目(食欲廃絶・便出ず)


↑やや改善 3日目(食欲改善、便も少量出る)


↑改善 4日目 (元気・食欲・排便あり)

日が経つにつれて、腸内のガスが減っていき状態も改善していきました。
かなり危ないところでしたが改善して良かったです

こういう危険な状態にならないようにするためには、
線維が豊富な牧草(チモシー)を十分に与えて、おやつ類(炭水化物、蛋白質)は控えた方がいいです。異物誤食を防ぎ、毛球症予防のため毎日ブラッシングをしてあげてください。

ちなみに「とらひめ」が調子を崩した原因は、
ペレットが大好き過ぎて、チモシーをあまり食べたがらなかったためかもしれません。
やはり牧草が一番ですね。

調子が悪い場合は様子を見ず早めの受診が望まれます。