ウサギの症例

うさぎの斜頸

今日は斜頸のうさぎさんが来院されていたのでこの「斜頸」について。

うさぎは急に斜頸(頭が異常な向きに傾くこと)が起ることが時々あります。
床の上をコロコロ転がるローリングや眼振、斜頸、立ち上がれないなどの症状が突然現れます。

原因は、
・中耳炎、内耳炎
・特発性(原因不明)
・外傷性
・腫瘍性
・中毒性(鉛、アミノグリコシド)
・中枢神経疾患(細菌性、真菌性、エンセファリトゾーン症など)
etc…

などが原因として考えられます。

エンセファリトゾーンの抗体価を測定したりしますが診断を確定するのはなかなか難しいことも多く、細菌感染やエンセファリトゾーン感染などを疑い投薬治療を行い反応を見ていきます。当院ではCT検査ができますので中耳炎になっていないか検査を行うこともあります。

回復するまでの間、顔をぶつけて角膜を傷つけてしまい孔があいてしまったり、食事がとれずに衰弱してしまったりすることがあるため飼主さんの介護がとても重要になってきます。

治療をしていくと、徐々に改善するケースも多いのですが、障害が回復するかどうかは治療が終わるまで予測できません。しかし、斜頸が残ったとしても生活には支障なく生きていくことができることが多いです。

今回のうさぎさんの場合、初めはローリングして立ち上がることさえ全く出来ませんでした。
しかし、飼主さんたちのあきらめない懸命の介護によって2か月後にはほぼ正常に立ち上がることが出来るようになりました!よかったよかった。