ウサギの症例

うさぎの子宮腫瘤

今回診察させていただいたウサギさんは御年10歳齢!元気でご長寿うさぎさんです。しかし、最近元気が無く、胃腸の調子も悪いということで来院されました。

 

さっそく詳しくエコー検査、X線検査などで調べていくと、子宮に腫瘤が認められました。

少し細かい話ですが、
子宮の疾患には良性の病変や悪性の病変が見られることもあります。
良性のものには子宮内膜過形成、子宮水腫、子宮蓄膿症、子宮内膜静脈瘤…などがあり、
悪性のものは子宮腺癌、子宮肉腫、平滑筋肉腫、卵巣腺癌…などがあります。
とくに子宮腺癌はうさぎにはとてもよく見れる腫瘍で避妊手術を受けていない女の子のうさぎでは3-4歳を過ぎると発生率が60%を超えるともいわれています。
進行していない初期段階であれば外科的な手術で良好な予後が期待できますが、発生から1年、2年と時間が経つと転移が肺などに起こってきます。

 

若ければすぐにでも摘出手術を行うところですが、10歳という年齢もあり、手術するか…、様子を見るか…、飼主さまも悩まれておりましたがご相談の結果、子宮を摘出することを決断されたのでした。

開腹してみるとやはり腫大した子宮がみられ摘出しました。

↑※閲覧注意!手術の画像です!(腫大した子宮)

未避妊の女の子ウサギで血尿がでるようなら特に気を付けてあげて下さい。