ウサギの症例

うさぎの子宮疾患

先日、血尿が出ているといううさぎさんが来院されました。

血尿が出るということは、泌尿器系(膀胱炎、膀胱結石?)か、生殖器系(子宮疾患?)なのか、どこかに原因があるということです。

ここのところ、血尿が出るうさぎさんの来院が続いており、
「そういえば時々血尿しているかも?」とご相談に来られる方が多いです。

 

こういったケースでは避妊手術を受けていない女の子の場合は、子宮の疾患に罹患している可能性が考えられます。

 

ということで、飼主さんとリスクを含めてよくご相談の結果、子宮と卵巣を摘出することになりました。

少しややこしいですが、
子宮の疾患には良性の病変や悪性の病変が見られることもあります。良性のものには子宮内膜過形成、子宮水腫、子宮蓄膿症、子宮内膜静脈瘤…などがあり、
悪性のものは子宮腺癌、子宮肉腫、平滑筋肉腫、卵巣腺癌…などがあります。
とくに子宮腺癌はうさぎにはとてもよく見れる腫瘍で避妊手術を受けていない女の子のうさぎでは3-4歳を過ぎると発生率が60%を超えるともいわれています。
進行していない初期段階であれば外科的な手術で良好な予後が期待できますが、発生から1年、2年と時間が経つと転移が肺などに起こってきます。

未避妊の女の子ウサギで血尿がでるようなら特に気を付けてあげて下さい。

当院では女の子うさぎさんの避妊手術をよく行っています。

ご希望の方はお気軽にご相談ください。

 

↑※閲覧注意:摘出された子宮と卵巣