うさぎとストレスの関係
当院ではうさぎさんを診察させて頂いているので、今回はうさぎについて解説していきます。
さて、皆さまはどこかで「うさぎは寂しいと死んでしまう」という話を聞いたことはないでしょうか?
この話は本当でしょうか?
これは1993年に放送された「ひとつ屋根の下」というドラマで使われた酒井法子さんの「うさぎって寂しいと死んじゃうんだよ」というセリフが広まったのが元々だと言われているようです。
ただ、獣医師としての経験上、うさぎが家を留守にして帰ってくると既に亡くなっていたり、朝見ると亡くなっていたり、というように、人間や犬や猫よりも原因不明のまま急死してしまう確率が高い生き物であることは確かだと思います。
うさぎは野生では被捕食動物(肉食動物から獲物にされる)なので弱みを見せないため、相当重症でも一見元気に見えるため、見極めが難しいと思っています。
基本的にうさぎはとても繊細でデリケートでストレスに弱い生き物です。診察中に驚いて診察台から飛び降りてしまうと事故に繋がりかねないため、診察台に載せる場合は飛び降りないように常に気を付けないといけないですし、爪を切るにしても診察台から飛び降りると事故に繋がるため地べたに座って爪切りを行っています。
慣れしていないうさぎさんは、飼育下ではストレスが溜まってしまうためお家での飼育環境を整える必要があります。
飼育環境を整える方法として、うさぎの要求を満たすことができるようにケージのレイアウトなどを調整します。
社会性を満たすために多頭飼育を行う、もしくは、飼い主さんと触れ合う、運動欲求を満たすために広めのスペースを用意してへやんぽやうさんぽを行う、齧ったりできるようにかじる物や遊べるおもちゃを用意してあげて下さい。
具体的には、幅60cm以上のケージを用意して、部屋の中に出して毎日遊ばせてあげて、ケージ内にシェルフを設置するなどなど。
うさぎさんストレスが少なければおおらかな性格になり人に慣れて(ストレスが多いと神経質で攻撃的なうさぎさんになってしまうこともあります)、抱っこしたり、ブラッシング、爪切りも簡単にできるようになりますし、採血などの病院での検査もラクに出来るようになります。
うさぎ飼いの皆さまは幸せなハッピーウサギを目指して頑張ってみて下さい。